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2020
10 / 23 (金)

2020
11 / 23 (月)

映画『おもかげ』公開 【現在は終了しています】

202010/23(金)~ 202011/23(月)

映画『おもかげ』公開 【現在は終了しています】

衝撃の、冒頭15分の長回し!息子を失った母の失意と、愛と、母性。予測できない結末。激情に反する静かな海の対比が秀逸!

冒頭15分の長回し。ひとりで見知らぬ地に取り残された6歳の息子と、母親との緊迫の電話。顛末のわからないまま静かに表示されるタイトル。その後の、寄せては返す静かな海の情景を眺めながらも、あまりに衝撃的なオープニングに脳が支配され動悸が止まらなかった。子を持つ親として、もしこんなことが起こった時、自分ならどうするだろうかと自問自答しつつ答えを急ぐ。でも、答えは示されないまま、物語は10年後へ…。先の見えない展開に、不安が煽られて、物語のゴールはどこなのか?と、妙な居心地の悪さと、急き立った気持ちにジレンマを抱えながら、彼女の混沌と、哀しみ、母性、愛、そして決意を見守る。ラストシーンの、冒頭とは全く真逆の、元夫との電話の静かなやりとりがジーンと胸にしみた。彼女はこれからも生きていく。この10年後は何をしているのか、また時々覗いてみたいと思った。荒立った心の海も静けさを取り戻し、愛と、恋と、情と。いろんな感情について想いを巡らせた。

劇的な冒頭シーンは、2017年に短編映画として発表され各国際映画賞を50以上も獲得し、アカデミー賞にもノミネートされた『Madre』をそのまま採用し(今作も原題は同名。スペイン語で「母」の意)、キャストも続投。世界中を唸らせた短編作品の後日譚となるが、安易な事件の後追い物語ではなく、失意から10年を経た母の姿と、その心の機微に寄り添う。

幼い息子の失踪から10年。事件現場からほど近いフランスのビーチリゾートで、時々海辺を彷徨いながらも、職を得てひとり暮らしているスペイン人のエレナ。ある日、若者の集団の中に息子のおもかげを感じ、目が離せなくなるのだが…?母性なのか、愛なのか。先の読めない展開に心奪われる傑作!!

©Manolo Pavón
※公開期間は目安です。全劇場での上映期間を保証するものではありません。

映画『おもかげ』公開

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