花巻まつりは400年以上続く鳥谷ヶ崎(とやがさき)神社の祭礼。鳥谷ヶ崎神社の創建は不明だが1313年(正和2年)の鎌倉時代末期に社殿が再建されていることから、鎌倉時代もしくはそれ以前からの歴史ある神社であることが窺い知れます。2度の合祀の後、現在の社号になりました。
花巻市指定無形民俗文化財である花巻まつりは、花巻開町の祖・北松斎公の時代の観音祭から始まり、現在では風流山車、神輿、鹿踊、神楽権現舞、花巻ばやし踊りのパレードが行われます。
見どころは何と言っても、神輿の数の多さ。昭和の始め、町内に造り酒屋が多くあったことから、酒樽を利用した「樽神輿」を造って祭りを盛り立てたという歴史があり、現在では豪華な「宮神輿」が主流ですが、昔ながらの樽神輿も健在で、花巻まつりには欠くことのできないものです。今日のように多くの神輿が参加するようになったのは、市民総参加のまつりになってから各職場や各町内の子供会の積極的な参加によるもので、2015年には「ひとつの会場で披露される神輿の数」が114基という、世界記録に認定されています。