10 / 06 (金)
11 / 06 (月)
映画『シアター・キャンプ』公開 【現在は終了しています】
映画『シアター・キャンプ』公開 【現在は終了しています】
- エンタメ
カオスな状況の中、たった3週間で新作ミュージカルの幕は開くのか?モキュメンタリーで魅せる若き天才たちの核融合。次世代の才能をとくとご覧あれ!
数々の名作をアカデミー賞の舞台に押し上げてきた「サンダンス映画祭」が沸きに沸いたという本作は、若き4人の才能が集結した傑作だ。監督&主演を務める新鋭モリー・ゴードンは『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』で性に奔放な女子高生を演じ、今作では霊能力も持つ歌唱指導者に扮する。彼女の心のパートナーで繊細で気難しい男友達を務めるのは、モリーとは役でも現実でも幼馴染のベン・プラット(ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』で、舞台映画ともに主演)。『ディア〜』でベンと共演後、主演を引き継ぎ、『ブックスマート〜』でモリーと共演し、今やスター俳優となったノア・ガルヴィンもラストに向けて物語のキーマンとなる重要な役どころで、その魅力がヤバイほどほとばしっていた。最後の1人、監督に名を連ねるニック・リーバーマンは、数々のミュージックビデオを手がける新進クリエイター。そんな若き才能のコミュニティが本気を出して、共同脚本で、彼らの実体験を紡ぎながら完成させたという本作。モリーとベンが幼馴染だったり、ベンがゲイを公表(プライベートではノア・ガルヴィンと婚約中)していたりと、それぞれのキャラクターに本人が色濃く投影したことで、彼らをまるで友人のように錯覚させて、苦々しい闇も喜びも、エピソードの全てが刺さった。私自身、高校生の頃に県の演劇合宿に参加していたクチなので、自分自身の体験も相まって、わかりみが深すぎたのもあるが、ほろ苦い青春の日々を追体験しているようなドキドキの90分だった。
お気に入りは、講師が「Oh, What a Beautiful 〜♪」とコールすると、どんなに騒いでいても、全員が「Morning〜♪」(ミュージカル『オクラホマ』のOP曲)とレスポンスする「仲間の証明」的シーン。これを他所者のトロイがやるとスベる天丼ネタが笑える。ラストの楽曲へ向けて、それと気づかせないような大きな伏線が張られていたり。とにかく構成が見事すぎて、最後には大号泣。時々見返したい宝石のような作品!
ニューヨーク州の北の湖畔で毎夏開かれる演劇サマーキャンプ「アディロンド・アクト」はミュージカルスターを目指す子供たちの大切な居場所。成人して運営側に回った講師のレベッカやエイモスにとっても無くてはならない場所だが、資金繰りは毎年厳しく、熱血校長のジョーンが私財を投じている。開校パーティーの真っ最中にジョーンが昏倒。急きょ息子に経営が引き継がれるも、経営コンサル系ユーチューバーを名乗るトロイは、「ストレートプレイ(セリフ劇)」と聞いて「ゲイプレイもある?」と聞くくらいの演劇素人。大手演劇スクールからの買収計画、キャラが濃すぎるベテラン講師たちの一悶着、自由奔放で野放し状態の子供たち…ジョーン不在の中、タイトルだけが決定したミュージカル『ジョーンのままで』は、無事に完成するのか?笑いながらも心に染みる絶品!
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※公開期間は目安です。全劇場での上映期間を保証するものではありません。