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2020
06 / 05 (金)

2020
07 / 05 (日)

映画『ハリエット』公開 【現在は終了しています】

202006/5(金)~ 202007/5(日)

映画『ハリエット』公開 【現在は終了しています】

「自由か死か」。危険な綱渡りで自ら黒人奴隷を救出し続けた”聖女”の凄まじさに感涙!

「自由か死か」を合言葉に、自身のため、家族のため、仲間のために、危険な奴隷州と自由州を何度も往復し、脱走介助を続けた黒人女性活動家ハリエット。奴隷監督に殴られた後遺症で、「眠り病(ナルコシプレー)」に悩まされながらも、意識を手放した先で神の神託を得て、数々の危機を乗り越えてゆく彼女の人知を超えた活躍には「映画的演出」だけでない真実味を感じ、神の存在を信じてみたくもなる。作中では、奴隷たちが秘密のメッセージや、脱走奴隷に密かに別れを告げる手段として、黒人霊歌がふんだんに使われている。きっとあの時代は本当にこんな風に歌われていたのだろう。低いトーンで、注意深く、悲しみに満ちた美しいハーモニー。その深みのある歌声に心が震え、終始手に汗を握った。

メリーランド州の期限付き奴隷だった黒人女性ハリエット(旧名ミンティア)の一家は、既に使役期間が終了しているにも関わらず奴隷主から解放されず、憤懣を募らせている。「本来なら自由の身分を得られるはずのお腹の子の人権を守りたい」新たな生命を宿らせた母の悲痛な願いが、ハリエットの強さを押し上げる。主演のシンシア・エリヴォの鬼気迫る神がかった演技は鳥肌モノ!同じ母として、我が子のために何ができるか。冒頭から、たくさんのことを自問自答しながら鑑賞した。

主演女優自ら作詞作曲も手がけたという主題歌「スタンドアップ」も素晴らしくて、そこに込められた思いに涙が止まらない。ハリエットは、預言者モーセになぞらえて、「黒人の女モーセ」と称えられ、アメリカの国民投票で新20ドル紙幣に選ばれるほど親しまれた存在だという。奴隷主だった第7代大統領の肖像に代わって、元奴隷の女性活動家が起用されるというのは、さすが自由の国アメリカ!2028年の紙幣刷新までに、まだまだ盛り上がることは確実。ただの偉人列伝で終わらない傑作!

©2019 Focus Features LLC. (C)Universal Pictures
※公開期間は目安です。全劇場での上映期間を保証するものではありません。

映画『ハリエット』公開

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