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11 / 09 (月)

映画『星の子』公開 【現在は終了しています】

202010/9(金)~ 202011/9(月)

映画『星の子』公開 【現在は終了しています】

虚弱児だった自分のせいで新興宗教にハマった両親。ちょっと変だけど愛情いっぱいの家庭に育ったちひろが、恋に受験に悩みながらも出す答えとは?

今週公開の作品は、ちょっと変化球の家族モノが多い。無意識な選別、差別を意識させられる作品たちだ。国際人権法の下で宗教的な差別は禁止されているけれど、仏教だキリスト教だといった正統派(?)とは違うカルト宗教への世間の冷たい目。この映画を見る圧倒的多数は「差別する側だ」と自覚させられると思う。少なくとも私は自分の差別の「芽」を自覚した。「信じる者は救われる」とは言え、傍から見れば「怪しい」「胡散臭い」「怖い」集団。オウム真理教事件の時は、善良な末端信者であれ重罪人のような扱いだった。「本人が幸せならいーんじゃない?」と思っていても、実際「この水で奇跡が起こる!」なんてずずいと薦められたら身構えるし、それが身内なら何とか信仰をやめさせようと考えるのも頷けてしまう。肌の色やLGBTへの差別とは少し毛色が違う根深さは、実際に真贋入り混じっているからに他ならないけれど、私たちは自分の尺度でジャッジしすぎてはいないだろうか。否定するわけでも肯定するわけでもなく、ただ目撃させ、時に当事者に、時に傍観者になって考えさせられるテーマ。芦田愛菜6年ぶりの主演作にふさわしい、強い眼差し、強さと弱さを併せ持った染み入る演技は必見だ。

虚弱体質の娘を救うため、藁をも掴む気持ちで奇跡の水に望みを託し、すっかり熱心な信者となった両親。河童のように頭に聖水を乗せ、全身緑のジャージで過ごす両親を見限って家を出た姉とは反対に、中学三年生のちひろは、純粋培養で真っ直ぐに育つ。そんな彼女が恋した新任の先生は、顔こそイケメンなものの偏見に満ちた嫌なヤツで…?それでも、未来をまっすぐ見据えるヒロインの強さ、自分の心を問い直すように満天の星空で流れ星を見つめるラストシーンが印象的。

©️2020「星の子」製作委員会
※公開期間は目安です。全劇場での上映期間を保証するものではありません。

映画『星の子』公開

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