01 / 27 (金)
02 / 27 (月)
映画『イニシェリン島の精霊』公開 【現在は終了しています】
映画『イニシェリン島の精霊』公開 【現在は終了しています】
- エンタメ
小さな島の、おじさん2人の仲違い。戦争の不条理を凝縮したような、不毛すぎる応酬を『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナーが描く。
こんなに誰にも感情移入できない作品があるだろうか?しかも、それなのに、無茶苦茶心揺さぶられ、目が離せないのだ。「なぜこうなる?」いくら考えても、自分の常識からは答えが導き出せない。でも、戦争が起こる時って、きっとこんな「理解できない」が、小さな火種となるのだ。「いきなり何だよ?おかしいだろ?こっちの立場に立ってみろよ?」そんな気持ちが大火となって燃え広がり、気づけば人が死に、弔い合戦が繰り広げられるのだ。この作品の中に、絶対的な悪者はいない。でも、みんなちょっとずつ狂っている。本当は一番真実を見抜いている人間が痴れ者扱いされ、賢い人間が島を見捨て、全てを見通す精霊が死の予言を口にする。嗚呼、何と呪われた、しかし美しい破綻。掻き立てるフィドルの音色が虚しく響く、あまりに完璧な悲喜劇。病んだ島の負の連鎖は、まさにこの世の縮図と言うことか。震える傑作!
1923 年。アイルランド西海岸沖の小さな孤島イニシェリンの島民たちは、対岸の本土の激しい内戦を鼻で笑いながら、何も起こらない平和な日々を退屈に過ごしていた。そんなある日、昼に仕事を終え、歳上の親友コルムとバーで飲むのが日課の中年男パードリックは、コルムから突然絶交を言い渡され困惑する。「俺が何かしたのか?」と聞けば「人生の貴重な時間をお前に浪費されたくないだけ」とむげもなく、「これからは話しかける度に俺の指を一本ずつくれてやる!」と脅される始末。妹や隣人を巻き込んで関係修復を図るも溝は深まり、ついには最悪の悲劇が起こるのだが…?
第80回ゴールデングローブ賞では、最多7部門8ノミネートされ、作品賞、主演男優賞、脚本賞の3部門を受賞。3月12日に受賞発表のある第95回アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞、作曲賞、編集賞の主要8部門で9ノミネートを果たし、結果に注目が集まる。必見。
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