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2020
06 / 05 (金)

2020
07 / 05 (日)

映画『ポップスター』公開 【現在は終了しています】

202006/5(金)~ 202007/5(日)

映画『ポップスター』公開 【現在は終了しています】

トラウマに歪む人生。凄惨な事件から生き残りスターダムを駆け上がった少女の数奇な運命とは?

コロンバイン高校銃乱射事件を思わせる悲劇に始まる導入から、膨大な情報量でめまぐるしく書き換えられてゆく人生。中盤、「孤独なスーパースターあるある」展開はもうちょっと違うアプローチが見たかったなぁという思いもあるけれど、名声と引き換えに透明感を失い、セックス、ドラッグに溺れ、仲睦まじかった姉妹を引き裂いてゆく、素朴な田舎娘の黒いシンデレラストーリーは、実在する人なのかと錯覚するほどのリアルな作り込み。長い年月の後、消費され尽くした彼女の再起を賭け、故郷で凱旋公演が行われる。くしくもその日に、トラウマを喚起する凄惨な事件が発生。この長い1日を乗り越えて、彼女は生まれ変わることができるのか?余韻が残る結末…かと思いきや、ラストで明かされる仰天の真相にはちょっとズッコケた(笑)けど、このオチに持っていけるのはフィクションならでは。巧みな役者たちの芝居合戦が楽しい。

子役としてキャリアを積み上げ、いつの間にかめっちゃ成長してた(!)ラフィー・キャシディが、人生の波に押し流されるヒロインの危なっかしい10代を繊細に演じナタリーポートマンにタスキを繋ぐ。しかも、そこでまた「母の若いころにソックリな娘」として2役を演じる大活躍!これはもう「ダブル主演」とクレジットされてもいいのではないだろーか(出演シーンは主演のナタリー・ポートマンより断然多いのよ)と思うのだけど、芸能界はそんなに甘くないのですね。そんなラフィー演じる過去編から真打ナタリー登場の現代編まで十数年を前触れなく飛び越える突然の荒技編集に若干戸惑いつつも、そこに映るナタリー・ポートマンのオワコン感とやさぐれっぷりで、一瞬にして「辛酸を舐めまくった壮絶な人生の起伏」が垣間見えて、その空白をものともしない演技力はさすが!長きにわたり薬物とアルコール依存に苦しんだグラミー歌手シーアが書き下ろした楽曲の数々も、エレクトロニックなダンスポップスなのに葛藤に満ちて、妙なダークさが心地イイ。コロナ明けのドロドロを消化するのにピッタリな、人生のうねりの映画!

Motion Picture ©2018 Vox Lux Film Holdings, LLC. All Rights Reserved
※公開期間は目安です。全劇場での上映期間を保証するものではありません。

映画『ポップスター』公開

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