MIRAI一覧へ
2024
06 / 15 (土)

2024
08 / 18 (日)

北斎館 「新紙幣発⾏記念 北斎進化論」 【現在は終了しています】

202406/15(土)~ 202408/18(日)

北斎館 「新紙幣発⾏記念 北斎進化論」 【現在は終了しています】

  • ニュース
  • 美術館・博物館・アート展
北斎の70年の画業を辿る

2024年7⽉、新たに発⾏される千円札に「冨嶽三⼗六景神奈川沖浪裏」のデザインが採⽤されます。本作は、葛飾北斎の代表作として知られていますが、その背景には北斎のさまざまな画法を学ぼうとする探究⼼、⼰の絵を発展させようとする向上⼼がありました。
北斎の壮年期にあたる春朗期・宗理期(44歳まで)は、⽣涯において最も多くの画法を吸収した時代といえるでしょう。狩野派や⼟佐派、唐絵などを学び、⼆代⽬俵屋宗理として琳派を継承するなど、当時の北斎はさまざまな画法を習得し、⾃らの絵を進化させていきます。中でも⻄洋絵画に対する関⼼は⾼かったようで、「浮絵⼀ノ⾕合戦坂落之図」のような透視図法(遠近法)を⽤いた作品が春朗の時代に発表されています。北斎は、それ以降も積極的に⻄洋絵画の画⾵を取り⼊れた作品を発表し、その作画経験が天保年間初頭の「冨嶽三⼗六景」をはじめとする「⾵景版画」の揃物を⽣み出す⼟台となっています。
「冨嶽三⼗六景神奈川沖浪裏」に⾒られる特徴的な波の表現も、北斎の進化において⽋かすことができないポイントです。波は、北斎が何⼗年という歳⽉を費やしながら、その様相を変化させてきました。『鎮⻄⼋郎為朝外伝 椿説⼸張⽉』では船や兵を飲み込むほどの連続的な波を描き、『北斎漫画』では「寄浪」「引浪」2種類の波の様相を紹介しています。「神奈川沖浪裏」に⾄って、波の表現はひとつの頂点を極めますが、北斎はさらに進化を求め、続く『富嶽百景』の「海上の不⼆」では⼤波のスケールを拡⼤した⼤胆な作品を発表します。その約10年後、信州⼩布施を訪れた北斎は、当地に上町祭屋台天井絵「男浪」「⼥浪」を遺しました。「怒濤図」とも称される本作は、それまでの⾵景画とは異なり波そのものが印象的に描かれています。北斎の波は進化して、本作でついにその極地へ⾄ったとも考えられる逸品です。
本展では、北斎70年の画業を回顧しつつ、進化を⽬指す絵師北斎の姿に迫ります。今回の新紙幣発⾏によって、より⾝近になった北斎作品の数々をお楽しみください。

【開催概要】
会期:2024年6⽉15⽇(⼟)〜8⽉18⽇(⽇)
※会期中、一部展示替えを行います。
開館時間:9:00〜17:00 ※⼊館受付は閉館30分前まで
※会期中無休
⼊館料:⼤⼈ 1,000円/⾼校⽣ 500円/⼩中学⽣ 300円/⼩学⽣未満 無料
※イベントなど、詳しくは公式HPをご覧下さい。

北斎館 「新紙幣発⾏記念 北斎進化論」

公式サイト

 
カレンダー