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2022
03 / 04 (金)

2022
04 / 04 (月)

映画『余命 10 年』公開 【現在は終了しています】

202203/4(金)~ 202204/4(月)

映画『余命 10 年』公開 【現在は終了しています】

ただの恋愛映画と思うなかれ!もう生きられない私と、未来に絶望した彼の出会いは、未来に何をもたらすのか?

いかにも「涙活」系のタイトルに、ちょっと腰が引けていたのだが、監督の名前で、俄然興味が湧いた。緻密な社会派サスペンス『新聞記者』で一気に世の注目を集めた藤井道人監督は、撮るたびに別ジャンルへと進出してゆく挑戦の人だ。「若年層向けの恋愛映画とは一味違ったものを見せてくれそう…」その期待通り、全世代に勧めたい「家族」が描かれたヒューマンドラマ。そこに描かれるのはとても丁寧な「日常」。過剰な演出や演技を控えた会話のトーン。その余白に、自分自身の思考が投影され、喜怒哀楽に心が掻き立てられた。現在子育て中の私は、あまつさえ「もしうちの娘が余命10年だったら…」なんて考えてしまって号泣。「私たちってさ、どっちが不幸なんだろうね?」遺して逝く者、残されて生きる者の不幸についての問答は、今も答えの出ないまま頭の中をぐるぐるしている。

ヒロインがあまりに我慢強く良い子すぎて「こんな子居るかなぁ?」とも感じたのだが、原作者の小坂流加さん自身が、この小説の出版直前に、ヒロインと同じ「原発性肺高血圧症」で逝去。まさに「余命」を意識しながら生きた彼女と家族の生き様の記録なのだと知った。「10年」の期限をこんなにも強くまっすぐ生きる人がいたこと。その真実は、何気なく日々を消費している自分に喝も入れてくれた。「生き方」のドラマを全ての人に見てもらいたい。

中学のクラスメイトとの10年ぶりの再会。そこで開けたタイムカプセル。生に執着しないため、恋を遠ざけてきた茉莉と、生きることに疲れてしまった和人の出会い。移ろう季節を感じ、周囲を巻き込んで化学変化を起こし続けるふたりの、その先につながる未来とは…?

©2022 映画「余命 10 年」製作委員会
※公開期間は目安です。全劇場での上映期間を保証するものではありません。

映画『余命 10 年』公開

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