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2020
10 / 09 (金)

2020
11 / 09 (月)

映画『望み』公開 【現在は終了しています】

202010/9(金)~ 202011/9(月)

映画『望み』公開 【現在は終了しています】

高校生の息子が失踪。殺害された高校生。逃げた2人の犯人。そして、消息不明のもう一人。過熱報道の中、家族が望む真相は…?

ワイドショーのレポーターが自宅前に集まり、無神経に投げかける。「息子さんが遺体として発見されるか、加害者として発見されるか、どちらを望まれますかー?」究極の選択に揺れる家族。それぞれの「望み」はバラバラだ。「絶対人殺しなんかしていない!」息子の魂を信じる父。「生きてさえいてくれれば犯罪者でもいい」。加害者家族となる覚悟を決めた母。中学3年生の妹は「犯人だと困る」と本音をポツリ。もしこれが自分の家族に起きたことならば、私はどちらを望むだろう。高校生同士の殺人というセンセーショナルな事件に、報道もネット民も祭り状態。家に投げつけられる生ゴミ、誹謗中傷の落書き。これが一生続くとしたら、我が子の死(無実)を望んでしまうかもしれない。フィクションでありながら、この苦悩は、現実社会で日々誰かが味わっているリアルだ。親子といえど、子供の全てを知る術は無い。そうなんだな…とガクリと膝を付く思いだった。

この「消息不明」「真相不明」に揺れる家族に対比して、「被害者遺族」として描かれる人々は、悲しみに暮れるあまり、独善的で、冷静さを失っていて、少し醜い。身内を殺されたのだから、怒りをぶちまけて当然…なのかもしれない。でも、本当にそうだろうか?そう問える冷静さは、他人事ゆえだけれども、人間はどんなに注意深く生きていても、誰もが認知の歪みを持っているということを、改めて突き付けられた。無意識の差別。思い込み。脳は騙されやすく、誘導されやすく、誤認しやすい。ニュースの登場人物を批判するだけの人、報道の傘を着て傍若無人に振る舞う人、自分は正義だと思っている人、誰も彼も、みんなフツーの人だけど、暴徒化した集団は怖い。

痛くて哀しくて打ちのめされた。きっと、見た人の数だけ、胸を刺すポイントは違うし、結末への思いも違うと思う。だから、とにかく見てほしい。考えて欲しい。あなたの辿りついた「望み」は何ですか?ずっと、ずっと問い続けたい衝撃作。

©2020「望み」製作委員会
※公開期間は目安です。全劇場での上映期間を保証するものではありません。

映画『望み』公開

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