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2022
01 / 21 (金)

2022
02 / 21 (月)

映画『Coda コーダ あいのうた』公開 【現在は終了しています】

202201/21(金)~ 202202/21(月)

映画『Coda コーダ あいのうた』公開 【現在は終了しています】

私は「聞こえない家族」をサポートするために生まれたの?歌の才能に恵まれた娘の苦悩を、明るく切なく描く、号泣の音楽映画!

『クワイエット・プレイス』をはじめ、『ゴジラvsコング』、マーベルヒーローの『エターナルズ』など、近年ハリウッドでは、手話を主流言語とする「ろう者」をメインに据えた作品が急増している。ちょっとしたブームとも言えるこの流れで、手話を学ぶ人も増えているそうだが、実は私も3年ほど前からアメリカ手話を細々勉強中。そんなわけで、期待しまくりで観た本作は、ド真ん中にズバンと刺さる超傑作!2014年にフランスで製作された映画『エール!』のリメイクなのでストーリー自体は知っていたものの大号泣。ろう者の両親や兄弟を持つ、たった1人の健聴者が背負う過酷な運命…に留まらず、それを上回るトーンで笑わせまくる手話でのあけすけな(主に下世話な)会話が面白く、素敵すぎる家族の肖像に、泣いて笑って大満足だった。

ちなみに、タイトルの「Coda(コーダ)」とは、耳の聞こえない親に育てられた健聴な子どものことで、Children of Deaf Adultsの略称。セリフの半分は手話(ASL)で展開され、ろうの家族は実際に聴覚障害の俳優が演じているが、作中にほんの1分ほど「耳が聞こえない世界」を疑似体験するシーンがある。耳からの情報がない世界、静けさの中の葛藤、未知の不安の中で「他の五感」で音を補いながら生きる人々の気持ちを推し量る、素晴らしい時間だった。

クライマックスでヒロインのルビーが歌う曲は、映画『青春の光と影』の主題歌としても有名なジョニ・ミッチェルの名曲”Both Sides Now”。直訳すれば「今、両面から」となるタイトルの通り、「与える側」と「貰う側」、2つの愛の側面を歌う詞は、手話と音声言語のバイリンガルとして「ろう者」と「健聴者」の間に立ち、家族と夢どちらを取るのか?という板挟みに苦しむルビーそのもののような神曲。家族の絆の深まりとともにグッと増した歌の表現力とそのパワーに涙が止まらなかった。全ての人に見て欲しい!!

歌うことが大好きな高校生ルビーは、ろう者の家族の中で、唯一の健聴者。父と兄が営む漁業では海上での安全のために船に同乗し、家族と周囲との調整役を一手に引き受け、ラブラブすぎる両親の性病治療のため婦人科に付き添って赤面することも。そんな風に「家族のために生きる」ことを受け入れてきたルビーに「夢」ができる。音楽教師が彼女の歌の才能を見出し、音楽大学への進学のための個人レッスンを申し出てくれたのだ。しかし、耳の聞こえない家族には理解不能な世迷言。日に日に負担の増す家族からの要求にパンク寸前になったルビーが最後に出した答えとは…?

© 2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS 
※公開期間は目安です。全劇場での上映期間を保証するものではありません。

映画『Coda コーダ あいのうた』公開

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