12 / 09 (金)
01 / 09 (月)
映画『ラーゲリより愛を込めて』 【現在は終了しています】
映画『ラーゲリより愛を込めて』 【現在は終了しています】
- エンタメ
ラスト20分、泣きっぱなし!日本敗戦後のシベリアで実際に行われた旧ソ連による過酷な抑留生活を描く。
「生きるのをやめないでください」。凍えるシベリアでの劣悪な強制労働中、仲間たちをそう鼓舞し続け、無骨なまでに信念を貫き、希望を示し続けた男。そして、その志を継承し、死に物狂いで生き抜き、恩返しを誓う同志たち。はじめは蹴落とし合っていたさもしい人々の心を溶かし、勇気に変えさせた希望の歌、言葉、行動。ロシア文学に傾倒した男の、夢と、希望と、絶望と、その果てに見えた景色に、ダムが決壊したように涙が止まらなかった。家族に見せる顔、仲間に見せる顔、時間の経過とともに、凄みを増しながらも、一方で仏のように達観してゆく主演の二宮和也に感服。そして、主役級俳優たちが、芋の子を洗うように雁首揃える画力もまた驚異的。日本で待ち続ける北川景子の秘めた強さも効いた。「道義を守り、希望と優しさを持って生きる」。そんな気高さを日常として生きたいと思った。
終戦直前の満州。日ソ中立条約が破棄され、突然侵攻してきたソ連の手により、家族と引き裂かれた山本幡男は「必ず日本で会おう」と家族と約束する。戦争が終わったにも関わらず、ソ連は国際法を無視して、捕虜をシベリアで強制労働させるが、山本は、ダモイ(帰国)の未来を信じ、自分が好きなロシア文学の国を受け入れようとする。しかし、日本人捕虜たちは、過酷なラーゲリ(収容所)生活に疲弊し、保身のための嘘の告発で仲間を蹴落とし、貶め合い、絶望していた。そんな中で、山本は、明るく、高らかに愛の歌を歌い、周囲を気遣い、鼓舞し、危険を顧みずにソ連兵へと立ち向かってゆく。彼らにダモイの日は訪れるのか?戦後の混乱の中で起きた不幸な出来事を全力で受け止め、生を全うしようと踏ん張った人々。そして待ち続けた家族の、愛の物語。
©2022映画「ラーゲリより愛を込めて」製作委員会 ©1989 清水香子
※公開期間は目安です。全劇場での上映期間を保証するものではありません。