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2022
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03 / 04 (金)

映画『再会の奈良』公開 【現在は終了しています】

202202/4(金)~ 202203/4(金)

映画『再会の奈良』公開 【現在は終了しています】

「中国残留孤児」という重いテーマながらも大笑い!帰国後の壁に苦しんだ人々に思いを馳せつつ、ほのぼのと進む「家族」のロードムービー。

2022年は「日中国交正常化」から50年の節目だとか。そういえば小さい頃は「中国残留孤児」の帰国ニュースや、「家族の感動の再会」を煽る特番を時々目にしたけれど、今やそんな話題を聞くこともなくなり、失礼にもすっかり忘れていた。幼い日の私は、あの特番を見た後に「いつまでも幸せに暮らしましたとさ」なんておとぎ話な結末を夢想していたけれど、言葉も習慣も違う土地で新たに人生をスタートさせるのが、幸せばかりではないことは、今なら推し量れる。

50年もの間、中国で「家族」として共に過ごした娘の安否を気にかける養母。血のつながりが証明できなかったと、再度捨てることを選ぶ「家族」。「家族」って、言葉の定義がすごく曖昧だ。血が繋がっていている親子、養子縁組、そもそも夫婦は婚姻という契約で家族になったにすぎないし、離婚で解消し「元・家族」になるのも簡単。何なら「ペットだって家族」。うーん、本当に「家族」ってなんなんだろう?改めてそんな事に思いを馳せながらも、ユーモア溢れるシーンに大笑いして、切ないラストにもなぜか温かさと希望を覚えた。

なんといっても、おばあちゃんの言葉の壁を超えたコミュニケーション能力がすごい!肉屋では、羊の鳴き真似で意思を伝え、店員もそれに応酬(実はこの人が監督だと後から判明してビックリ)。「バカ」が中国語では「またね」という意味だったりと、言葉によるすれ違いの可笑しさも織り交ぜながら、おばあちゃんと、縁者の娘と、たまたま蕎麦屋で知り合った元刑事の3人が、ゆったりと足跡をたどるほのぼの捜索劇は、もっと見ていたいと思わせる心地よさ。その中で、次第に浮き彫りになる帰国者の悩み、苦しみ、生きづらさ…。きっと多くの人の胸に響くだろう本作。見終えた後『再会の奈良』というタイトルにじっくりと思いを馳せた。

©2020 “再会の奈良” Beijing Hengye Herdsman Pictures Co., Ltd, Nara International Film Festival, Xstream Pictures (Beijing)
※公開期間は目安です。全劇場での上映期間を保証するものではありません。

映画『再会の奈良』公開

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