10 / 08 (金)
11 / 08 (月)
映画『メインストリーム』公開 【現在は終了しています】
映画『メインストリーム』公開 【現在は終了しています】
- エンタメ
「いいね」の数＝自分の価値。SNSの高みから「ネット依存社会」に物申すインフルエンサーの、自己矛盾と欲望、その先の悲劇を描く傑作！
あまりに衝撃的なラストシーンは、鑑賞後しばらく放心するほどだった。目を背けたくなるような、心がささくれ立つシーンの数々は、きっと、自分自身が鏡の前に立たされてように感じるからだ。愛されたい、承認されたい、弱い自分を隠したい。おそらく誰もが持っているであろうそんな感情を、アンドリュー・ガーフィールド扮するリンクは、巧みな話術とパフォーマンスで否定し、視聴者を鼓舞し続ける。「ありのままの自分を偽らずにさらけ出せ」「スマホに縛られる人生なんてクソだ」「化粧は、”綺麗じゃなきゃ価値がない”という価値観を作り出してしまう悪だ」。パワーワードの数々。それは正論でもあるけれど実行するには相当の覚悟が必要だ。画面の向こうの外野席では「そうだそうだ！」と言えることも、当事者となった途端「やっぱりできない！」。人間ってそういうものだ。この作品の中には、世界中の人々の「正しい」が一方向に定まることはないであろう議題が数々散りばめられている。何を正しいと感じ、何に不快感を感じるのか、「価値観」の自認も興味深かった。LINE、Twitter、Instagram、Facebook…なりたい職業ランキングで常に上位に登場する「ユーチューバー(YouTube動画投稿者)」。近況を投稿して「いいね」が付いたら嬉しかったり、誰かの発信する動画を楽しみにしていたり。もはや私たちの生活とは切り離せない「SNS」はどんなトリガーを引いてしまうのか？34歳のジア・コッポラ監督の感性と、抜群の映像センス、アンドリューの怪演に息を飲む傑作！
「映像クリエイター」としての成功を夢見ながらも、パッとしない20代を消費するフランキーは、ある日、既存の価値観からの脱却を訴える着ぐるみパフォーマーにユーチューバーとしての才能を確信し、共に活動を始める。一見チープでありながら「SNS依存から脱却して自分を取り戻せ」「承認欲求を捨てて自由になれ」など強いメッセージを発信する彼らは、瞬く間に「頂点」へのし上がるが、同時に「数字」に一喜一憂し、「人気低迷」の恐怖に怯える日々がやってくる。自己のメッセージを反証するような存在になってしまった「ノーワン・スペシャル(ただの一般人)」 は、その自己愛がゆえにネット最大の悲痛な事件を引き起こしてしまうのだが…？実際の人気ユーチューバーや「ジャッカス」のジョニー・ノックビルが出演している侃侃諤諤（かんかんがくがく）のリアルトークショーシーンも見もの！
©2020 Eat Art, LLC All rights reserved.
※公開期間は目安です。全劇場での上映期間を保証するものではありません。
また、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の影響で、上映予定の変更が行われている場合もあります。
