10 / 15 (金)
11 / 15 (月)
映画『ザ・モール』公開 【現在は終了しています】
映画『ザ・モール』公開 【現在は終了しています】
- エンタメ
これがノンフィクションとは！世界は思っている以上にヤバイと実感。北朝鮮を欺き、国家ぐるみの陰謀を暴いた潜入スパイの10年間に目を凝らして。
本当にこれが現実なのか？と目を疑う北朝鮮の「裏取引」の現場にカメラが潜入！北朝鮮を擁護する人権団体を隠れ蓑に、世界各国の裏社会と北朝鮮をつなぐブローカーとして暗躍するスペイン人の存在。北朝鮮の要人たちの面々。発展途上国を介した巧妙な手口や、武器の価格表までもが赤裸々に映し出される仰天の内容は、どんなスパイ映画より刺激的！スパイアクション映画みたいなド派手なドンパチはないけれど、だからこそ漂う、一触即発の緊迫感。笑顔の下に潜む腹の探り合い、信用と疑惑の間を行きつ戻りつする綱渡りのスリルは、見ているだけでも寿命が縮まりそうなほど！他人事ながら「北朝鮮相手にここまでやって大丈夫なの？報復は？もしやすでに暗殺されてるかも…」と、このドキュメンタリーがどんな風に幕を閉じるのか、全く先が見えないまま手に汗を握って見守った。
誰に頼まれたわけでもないのに、自らの興味でスパイ活動を始めた無職の男の10年間の軌跡。真意を隠して潜り込んだ「協会」で、瞬く間に信用を得て地位を上げたその立ち回りのうまさもさることながら、カメラ片手に「広報マン」を買って出て、隠しカメラと盗聴マイクを駆使して全貌を暴いてゆくその手腕と度胸がまたスゴイ！後半、さらなる刺激を求めて危険な諜報にのめり込んでゆく姿は「勇気」というより既に「自殺行為」に近いが、10年に及ぶ潜入の全貌を「最悪の事態」を想像しながら、寿命の縮む思いで見守った2時間は、どんなスパイ映画よりスリリングで刺激的だった。出たとこ勝負のアドリブ展開が失敗するのか、成功するのか、生きて戻れるのか、正体がバレて殺されるのか…？違法で危険すぎる二重生活。妻子にも真実を伝えずに10年間奔走した男・ウルリクが、諜報の専門知識を一つも持たず、慢性疾患を理由に福祉手当で暮らすただの「元料理人」だという事実はこれをみ終えた今でも信じ難い。麻薬の密売で8年の実刑を経験した過去を持つ狂言回しのジェームズ、かつてMI5で働いた諜報活動のプロ・アニーなどを巻き込んでゆくマッツ・ブリュガー監督の人脈にも驚嘆。
そういえば、この映画を見た日の晩、潜入スパイになる長くて嫌な夢を見てうなされた。皆さんもお気をつけを（笑）。
© 2020 Piraya Film I AS & Wingman Media ApS
※公開期間は目安です。全劇場での上映期間を保証するものではありません。
また、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の影響で、上映予定の変更が行われている場合もあります。
