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2020
03 / 06 (金)

2020
04 / 06 (月)

映画『シェイクスピアの庭』公開 【現在は終了しています】

202003/6(金)~ 202004/6(月)

映画『シェイクスピアの庭』公開 【現在は終了しています】

引退後、家族の元で余生を送ったシェイクスピアの知られざる真実。息子の亡霊が導く人生の終着点とは?

作品だけが後世に残り、その人生や人となりについては未だ厚いベールに包まれている劇作家シェイクスピア。別人(ゴーストライター)説や、複数人の共同ペンネームだったという説もある中で、今作は、なんと人間的で、尊大で、繊細で、才能溢れる1人の男として生き生きと描かれていることか。「こんな人だったんだ!」と、本人に会えた気分にすらなる近所のおっちゃん的に身近なシェイクスピア。その反面で、爵位を切望し、それを獲得してなお消えないコンプレックスを秘めた彼の苦悩が、社会的地位や名誉の回復をテーマとした作品群を描かせたのだなぁと納得も。今でも研究者が多くの議論を交わす「ソネット集」(詩集)の解釈や、シェイクスピアの遺言書として有名な「2番目にいいベッドと家具」を妻に…という有名な一文も、とってもロマンティックかつ好意的に描かれていて、こうであって欲しいなと願う美しいラストにほっこり。多くの想像を交えながら、終焉の地で、家族に見守られて逝った彼の姿を目に焼き付けた。

作家引退後、ロンドンでの単身赴任を終えて故郷に戻ったシェイクスピア。家族との軋轢に苛立ち、息子の死に自分なりに向き合う姿を、彼の庭づくりを通して俯瞰する叙事詩。名優ケネス・ブラナーが自ら企画し演じただけあって、これまで誰も見たことのない、等身大の、家庭人としての血の通ったシェイクスピアだ。何よりも印象的だったのは、公的にはほどんど記録のない次女のジュディスが、双子の弟を失って抱え続けた後悔と秘密。彼女の存在がこの物語の車輪となり、父の人生に介入することで生まれるドラマには驚くばかり。そして、息子の死の年に描いた作品は何だったのか?会話の端々に引用されるシェイクスピア劇のセリフの数々も含め、古典演劇ファンは些細な部分まで存分に楽しめるはず!

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※公開期間は目安です。全劇場での上映期間を保証するものではありません。

映画『シェイクスピアの庭』公開

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