04 / 14 (金)
05 / 14 (日)
映画『マネーボーイズ』公開 【現在は終了しています】
映画『マネーボーイズ』公開 【現在は終了しています】
- エンタメ
愛を求めて生きる「人間」の縮図がここに。マイノリティでなくとも、誰もが経験する普遍的な生きる苦悩を描く。
男娼で性的マイノリティ。そんなセンセーショナルな設定に目を奪われがちだが、そこには、男女の差も、年齢も関係なく見つめられる、普遍的な「生き方」が描かれていた。登場人物たちの一つ一つの感情がどれも瑞々しく、一筋縄ではいかない彼らの人生に、時に自分を重ねながら、胸がギューッとなるのを感じた。もう一度やり直したいような恋は私にはないけれど、後に畳み掛ける切ない展開と、手放しでハッピーエンドとは言えない2つの恋の余韻がいい。余談だが、主演のクー・チェンドン が、どうにも鈴木亮平に似ていて、今年の邦画傑作『エゴイスト』を重ねながら見た。ちなみに、監督は、ウィーン・フィムル・アカデミーで、ミヒャエル・ハネケ監督に師事したオーストリア華僑華人“C.B. Yi”ことチェン・ボー・イーリン。長編監督デビューにして、第74回カンヌ国際映画祭のある視点部門で入選。若き才能の今後の活躍が楽しみ。
夢を抱いて都会へ出ても何者にもなれず、性産業へと足を踏み入れる主人公フェイ。田舎に暮らす家族を、病床の母を守りたいという真っ直ぐな気持ちで仕事に邁進する彼は上司と鮮烈な恋に落ちるが、ちょっとしたすれ違いで起きた暴力事件で、恋人を見捨てて街を逃げ出してしまう。それから数年が経ち、新たな地で様々な客と快楽に耽るフェイだが、一見充実しているようで、どこか満たされない日々を送っていた。そんな中、地元の幼馴染ロンが彼を頼って上京。セックスビジネスの後ろ暗さを軽々と飛び越えて天真爛漫に振る舞う姿は眩しく、愛おしさと羨望と嫉妬がごちゃ混ぜになりながらも、同棲を始める2人。しかし、残酷な運命が2人に忍び寄り…?
© KGP Filmproduktion, Zorba, ARTE France Cinéma,Flash Forward Entertainment, La Compagnier Cinematographique&Panache Productions 2021
※公開期間は目安です。全劇場での上映期間を保証するものではありません。