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2021
09 / 10 (金)

2021
10 / 10 (日)

映画『浜の朝日の嘘つきどもと』公開 【現在は終了しています】

202109/10(金)~ 202110/10(日)

映画『浜の朝日の嘘つきどもと』公開 【現在は終了しています】

逆境の映画業界から未来への決意表明?「映画館で映画を見ること」にこだわった、モギリ子の嘘と野望とは。

一向に収まる気配のない「コロナ禍」という異常事態の中で企画された本作は、映画に関わる人にグサッと刺さるセリフのオンパレード。未来に「映画」を残すぞ!何があっても絶対にあきらめないぞ!という気概が、愛が、ビシバシ伝わってくる。主な登場人物は3人のシネフィル。自殺を考えた高校時代に映画に救われた主人公(高畑充希)、その彼女に映画を教えた高校の恩師(大久保佳代子)、100年続く老舗映画館の館長(柳家喬太郎)。タナダユキ監督の映画愛溢れるセリフの応酬にニヤニヤしてしまった。フィルム映写機の構造(1秒間に24回光を点滅させ「残像現象」という人間の目の錯覚を利用して、映像が動いているように見せている)を説明する本編のワンシーンが公式で公開されているのだが、これがムチャクチャ分かりやすい。24回の光と闇。この「闇」に救われる人々を取りこぼさないよう必死で奔走する姿がかっこいい。何と言っても印象的なのが大久保佳代子。恋愛体質で人情あふれすぎる高校教師から繰り出される、ちょっと下世話な本音トークが、じんわりじんわり心に染み込んだ。こんなに大きな受け皿にはナカナカ出会えない。何て人間らしいステキな人!人生で目標としたいような、愉快で優しくて大きな彼女に、たくさん泣かされた。そして、『喜劇・女の泣きどころ』を見たくなった。

本作の舞台である、閉館寸前の映画館「朝日座」は、福島県に実在する。東日本大震災以降、原発事故報道で度々名を聞く南相馬市で、大正時代から100年の歴史を重ねる。2019年には大型台風、さらに新型コロナウイルスという追い打ちが続く今、逆境に晒される人々の「苦悩と再生」を描こうと立ち上がったのは、タナダユキ監督。出会うべくして繋がる縁と、そこに起こる小さな奇跡を眺めながら、もうちょっと頑張ろう!と思える優しい作品だ。昨秋に福島中央テレビ開局50周年記念作品として放送されたドラマ版『浜の朝日の嘘つきどもと』(配信中)の「前日譚」という位置付けで、この映画のラストが、ドラマの冒頭へと繋がるので、映画が気に入ったら、続きのドラマ版も是非ご覧あれ!

© 2021 映画『浜の朝日の嘘つきどもと』製作委員会
※公開期間は目安です。全劇場での上映期間を保証するものではありません。
また、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の影響で、上映予定の変更が行われている場合もあります。

映画『浜の朝日の嘘つきどもと』公開

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